私が勉強に対して苦手意識を持つようになったのは、中学1年生のころに通っていた大手の学習塾の方針がきっかけでした。そこはいわゆる、テストの得点ばかりを重視し、日々膨大な量の課題を生徒に課す。そのようなタイプの学習塾です。慣れない中学校生活のなかでこのような場所に所属していた私は心身ともに疲労していき、勉強へのある種の恐怖を持つだけにとどまらず、ついには塾だけでなく学校へ通うことも難しい状況となってしまいました。

幸いなことに、およそ9ヶ月の休養を挟んだ後には、スムーズにフリースクールへの入校が決まり、そこで多くの素晴らしいスタッフや生徒たちとの関わりにより心身は回復していきました。それでもなかなか回復の兆しが訪れないものがありました。それこそが勉強に対する苦手意識です。それをも否応なく時間が流れ私の前にも「進学」といった、勉強にまつわる大きな決断をする時が来ました。

そのような状況の中で中学3年生の冬、重い腰を上げてアフェッティの入塾を決意しました。本格的に受験勉強を始めるには一般的には遅いとされる時期であったことや、2年間のうちに染み付いた勉強嫌いの精神のため、当初は不安や焦りが募るばかりでした。

そんな私の様子をアフェッティのスタッフの方々は丁寧に察してくださり、皆さんとは雑談などの世間話、果ては簡単なボードゲームまでをふんだんに交え、いっそ「授業らしくない授業」を執り行っていただきました。このように、今現在一般的とされている「授業」という枠組みすらも飛び越えて、それぞれ個人に合わせた本質的な授業を行えるところが、このアフェッティの大きな魅力のひとつであると私は断言できます。

また、私がアフェッティで勉強を続けることができた理由のひとつに「ミーティング」の存在が挙げられるでしょう。ミーティングとは、週に一度、塾長の孕石さんと個別に話し合う時間のことです。この場では学習の進捗について話し合うだけでなく、好きなことや、悩み、最近考えたことなど、とりとめのない話を聞いていただく場としても機能していました。孕石さんはとても生徒の話を傾聴してくださる方です。それに甘えて今振り返るとあの場では多くの恥ずかしく、浅はかなことを口走ってしまいました。しかし、その経験すらもこれからの人生の糧にしようと決意し、また、過去の自分には必要な過程であったと納得すらしています。そう思えたのもきっとこのミーティングの中で自らの気持ちを見つめなおせたためでしょう。

これらの影響で勉強嫌いの精神も完全ではないものの徐々に解きほぐされた私は、一般の生徒との受験の末、無事に第一志望の高校への入学を果たすことができました。

しかし、高校入学後も順調に学校へ通い続けられたわけではありません。結局私は高校も途中で退学することになりました。そんなときでもアフェッティは私のそばに居続けてくださいました。

入学した高校を退学してからの3年間は多くの困難がありました。アフェッティがなければ私は日々を一人で鬱々と、漠然とした恐怖を抱えながら過ごす羽目になっていたでしょう。アフェッティのスタッフの方々には感謝してもしきれない思いでいっぱいです。

その困難とともに、私は再び大学進学という新たな困難に立ち向かいます。中学・高校と私の思う通りのことができなかった経験から不安は尽きません。それでも私はこの3年間、アフェッティで自己を鑑み、数年前とは比べ物にならないほど成長しました。「きっとうまくいく」と、自信をもって私は私に言い聞かせられます。

3年間もの間、本当にお世話になりました。

塾長メッセージ

大学合格おめでとう!

大学生のような高校生活でしたね。レポートのレベルは、そこら辺の大学生よりも十分高いですよ。

高校生活は、山より谷の方が深かったですが、最後は地上まで出て来れた感ありますね。

あの日々の乗り越え方を体が覚えているだろうから、新生活そこまで心配していませんよ!

学びたいこと、しっかり学んで。

また私に教えてくださいね。

投稿者プロフィール

affetti
学習塾アフェッティ塾長が主に書いているブログ。

一般社団法人フリースクール愛媛 代表理事 
(フリースクールエルート理事長)
・愛媛県フリースクール等連絡協議会 代表
・NPO法人えひめ放課後協力機構 理事
・(愛媛県校内サポートルーム設置事業における)
不登校児童生徒等支援連絡協議会  委員

静岡県生まれ。
2012年4月、愛媛大学在学中に「対話」と「自立学習」メインの学習塾「学習塾アフェッティ」を開塾。
2019年4月、平日昼間の学校以外の学び場の重要性に気付き、「フリースクールエルート」を開所。

2015年、“未来を切り拓く29歳以下ニッポン代表”としてNHK(Eテレ)U29で特集される。
2017年より愛媛新聞ピントゼミナールゼミ長として「次代を生き抜くメッセージ」の連載中。
第1回(2018年)・第2回(2019年)松山市人間力大賞受賞。
2018年、第32回人間力大賞(青年版国民栄誉賞)会頭特別賞受賞。
2022年、フリースクールエルートでの取り組みが、『ルポ 誰が国語力を殺すのか』文藝春秋(石井光太著)に紹介される。
<<メディア実績>>
U29出演・おはよう四国・greenz・愛媛新聞・朝日新聞・南海放送・他多数
<<講演実績>>
愛媛大学・愛媛県教育研究協議会・市内小学校・四国若者1000人会議・まつやま経営プラザ・他多数