第二回「松山JC人間力大賞」受賞
昨年に引き続き、人間力大賞を受賞いたしました。
松山JCの方々、素敵な機会を二年連続でいただきありがとうございます。
そして素敵でヤバい受賞者の方々、これからどうぞよろしくお願いいたします。
7分間のプレゼンがありましたので、情報共有も兼ねて、全文公開します!!
プレゼン原稿
「おかあさん(おとうさん)、今日は学校いきたくない」
もしお子様にそう言われたら、どうしますか?
・今日1日は何も聞かないで、子どもを休ませる。
・理由を聞いて、今日は休ませる。
・理由は聞くけど、学校に連れて行く。
・言われてみないと、わからない。
そんな声が聞こえてきます。
うちには関係ないと思うかもしれませんが、日本財団が昨年おこなった「不登校傾向にある子どもの調査」では、中学生の約10人に1人が不登校傾向にあるという結果が出ました。
不登校傾向というのは、従来言われている不登校つまり年間30日以上の欠席とは別に、30日未満の欠席・教室外登校・部分登校・仮面登校をしている生徒を指しています。
直接的には関係なくとも、お子様の友達のことまで思えば真剣に考えるべきだと思います。
弊社事業説明
そこで私たちからは、2つの視点を提案します。
・平日昼間の「学校」と「家」以外のコミュニティを頼ること。
・長期目線のプランを立てること。
「学校に行きたくない」という声が毎日のようにどこかの家庭から聞こえてくるのに対して、受け皿は十分に整っていないのが現状です。
加えて、学校に行かない日が長期的に続く場合のことを、当事者になる前に考える機会も必要だと考えています。
それらの課題を解決する方法の一つとして、私たちの事業説明をさせていただければと思います。
弊社の事業は大きく分けて3つです。
・フリースクール「エルート」の運営
・不登校は不幸じゃないin愛媛
・保険機能のある会員制度
エルート誕生のきっかけ
小・中・高校生の「学びの選択肢を増やしたい」という思いで、フリースクール「エルート」を今年の4月から開校しました。
どんな子でも受け入れると心に決めて学習塾を経営して7年、今では塾生の半数が不登校経験者です。
先日、4年間ほど通っている塾生と話していたら「俺は、中学校生活で一度も学校の授業を受けなかったことを誇りに思っている」と語ってくれました。
なんとも頼もしく、勝手に成長していくのだなと嬉しくなりました。
もちろん「学校の授業を受けず」に成長したことへの喜びではなく、かつての「葛藤の日々と向き合い、受け入れ始めた」ことへの喜びです。
そんな塾生たちの成長やいろんな思いが積み重なり、フリースクール開校の運びとなりました。
いろんな思いの中に「不登校は不幸じゃないin愛媛」があります。
昨年8月から延150名を超える不登校当事者・経験者が集い語り合う場を主催しています。
不登校・不登校傾向にある子どもとその保護者なら誰でも参加できるコミュニティです。
不安は一人で抱え込むと大きくなりますが、シェアすると小さくなるものです。
とはいえ、すべての不安はぬぐえません。
日本初!会員制度の仕組み
その気持ちを少しでも楽にするために会員制度を予定しています。
保険のような要素を含んでいて、お子様が「学校に行きたくない」と言ったその日から、半年間無料で通えます。
会員になることで、より身近に「学校以外の選択肢」もあることを感じることができます。
学校が好きな子は、より自分で選んで学校に行っているという自己決定感を育むことができます。
逆に学校に行きたくない子にとっては、学校以外の安全な学び場を常に感じることができるでしょう。
愛媛県内の歴史
ここで、改めて愛媛県内の不登校・フリースクールの歴史をみなさんと共有したいと思います。
1979年 登校拒否症は子供の現代病
今では、考えられない言葉が当時は平然と言われていました。
1990年 登校拒否を温かく受け入れよう
ようやく学校に行かないことは病気ではないと思われるようになりました。
2000年 約10団体がフリースクールを開校
愛媛県内で、次々にフリースクールが生まれました。
2008年 フリースクール相次ぎ閉所
行政による通級指導・適応指導教室などの取り組みによって、子どもが集まらなくなりました。
非常に良い取り組みなのですが、その結果、学びの多様性喪失が叫ばれました。
その流れは「行政との対立期」と呼ばれています。
2015年 フリースクール3団体
首都圏ではフリースクールに通うことで、学校長裁量にはなりますが、出席扱いになることがだいぶ当たり前になってきました。
これらの流れは「行政との対話期」と呼ばれています。
しかし行政サイドの課題として、「不登校傾向児童・生徒」の数の増加に対応しきれていません。
2019年 フリースクール「エルート」設立
さて、ここからはこれからの話。
私たちの存在によって、「平日昼間の学びの多様性」を復活させようと思います。
先輩方が築きあげてきた流れの中で、行政と連携すること。
これからは、「行政との連携期」と呼ばれるよう、尽力してまいります。
「おかあさん(おとうさん)、今日は学校いきたくない」
もしお子様にそう言われたとき、
「だったら今日は、フリースクールに行ってみる?」
そんな会話が聞こえてくる日を心待ちにしています。
ありがとうございました。
投稿者プロフィール
-
学習塾アフェッティ塾長が主に書いているブログ。
一般社団法人フリースクール愛媛 代表理事
(フリースクールエルート理事長)
・愛媛県フリースクール等連絡協議会 代表
・NPO法人えひめ放課後協力機構 理事
・(愛媛県校内サポートルーム設置事業における)
不登校児童生徒等支援連絡協議会 委員
静岡県生まれ。
2012年4月、愛媛大学在学中に「対話」と「自立学習」メインの学習塾「学習塾アフェッティ」を開塾。
2019年4月、平日昼間の学校以外の学び場の重要性に気付き、「フリースクールエルート」を開所。
2015年、“未来を切り拓く29歳以下ニッポン代表”としてNHK(Eテレ)U29で特集される。
2017年より愛媛新聞ピントゼミナールゼミ長として「次代を生き抜くメッセージ」の連載中。
第1回(2018年)・第2回(2019年)松山市人間力大賞受賞。
2018年、第32回人間力大賞(青年版国民栄誉賞)会頭特別賞受賞。
2022年、フリースクールエルートでの取り組みが、『ルポ 誰が国語力を殺すのか』文藝春秋(石井光太著)に紹介される。
<<メディア実績>>
U29出演・おはよう四国・greenz・愛媛新聞・朝日新聞・南海放送・他多数
<<講演実績>>
愛媛大学・愛媛県教育研究協議会・市内小学校・四国若者1000人会議・まつやま経営プラザ・他多数
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